2014/09/28

4枚目

4thアルバムがもうすぐ出来上がる。
エンジニアの手に音源が渡ってマスタリングされた後、
プレス業者の手に渡り、出来上がった盤は、
流通会社の人の手によってCDショップに流れていく。
果たして今回は「売れる」んだろうか?
「売れる」ってやな言葉だよな。
たとえ売上が50枚だろうが5000枚だろうが、俺の音楽に価値を感じて、苦労して稼いだ金を費やしてくれた人がいるのは事実なのに。
 どうしても最近「音楽」をやっていて不愉快になることが多いから、考えてみた。

俺はいわゆるサブカル的なムーブメントとそれに属する音楽が嫌いだった。
特に、思春期の生活に何らかのトラウマを抱える人達の、
本人の意思とは無関係に育ってしまった歪な性的嗜好をくすぐって
モノを売りつけようとするやり方が嫌いでしょうがなかった。
どこまで人をバカにすれば気が済むんだろう、と思った。
処女性を売りにしてるアイドルって存在が「ガールズポップスユニット」
なんて言い換えられても本質は変わらない。
面がブスなら音楽で奇を衒うか、音楽もダメならそいつの年齢や、
バックボーンを取り沙汰したりとか。
本末転倒になっていることを置いてけぼりにして、
目の前の金が集まるところだけに感心を寄せている、
自分よりも一回りも二回りも上の大人たちを見ていると、
とてつもなく悲しくなったし、殺したくなった。

あと最近だとラップもそんなに好きじゃなくなってきた。
いわゆるところの「社会」から差別されてきたであろう不潔な身なりの男たちが、結局「ヒップホップの社会」に染まっているのが見え隠れするところがどうしても耐えられなくなったから。
ナイキはラッパーにとってのビジネスシューズで、スナップバックはネクタイだ。
結局どこかの集団の中に属したいだけだったのかよ、みたいな。

でも自分がしているラップに関しては別だった。
自分がやってることだから当然なのかもしれないけど、
次は何をどんな風に表現するのか、どんなことが待っているのか、
楽しみで仕方なかったし、今もそうだし、これからもそうだと思う。
そこで気付いたのは、俺は「音楽」を売っているわけじゃないんだなってこと。
俺は俺が感じたことをメッセージにして、
それを発信するのが好きなんだなってことにようやく気付いた。
ライブの時だって曲間での喋りで皆が笑ってくれたり、歓声をあげたりしてくれると、
曲をやってるときと同じくらい気持ちよくて、嬉しい。
一番大事なのはメッセージだ。

話を戻すと、俺の4thアルバムは「メッセージ」だ。ずっとやりたかったことがやれたんだ。ヘタに「音楽」 をやろうとして周りとの違いを気に病むことなんて全然無かったんだ。
20年とちょっと生きてきて、それまでにJinmenusagiに起こったことを全部詰め込んである。
それで共感してくれる人がいれば嬉しいし、
もちろん詩の内容だけじゃなく俺のスキルに注目してもらってもめちゃくちゃ嬉しい。

ぶっこ抜きやめろ、買え、とかサムくて言う気にならないし、
チェックしてくれなんて言わない。
でもこれが俺の現時点での最高傑作になることは間違いないから、
感じてくれ。

またね!